サッカーのルール
下記の文を読んだ.
そのあと,サッカーの規則を読んだ.
サッカーの規則に,サッカーの「目的」は明記されていない.勝ち負けの判定方法は記載されている.
「定石」の集積を各プレーヤーが持っていれば,シミュレーションはできる.
「定石」は,勝つための行動を創意工夫することから生み出される.
「定石」が生み出される過程において,サッカーの規則や物理法則(人は空を飛べない),身体能力は,すべて拘束条件の役割しか果たさない.
例えばアソシアトロンに基づいた言語発生場のモデル化の試みでは,生存することを目的としたプレーヤーが複数居て,ライオンや食べ物など自らの生存に関係のある概念とその単語をプレーヤーが獲得した.「ライオンに出会ったら逃げろ」という定石は,プレーヤーが「生存すること」を目的とすれば,生み出せる.定石を生成するには,生存に適した行為か否かの評価関数を最適化するだけではなく,その評価関数を度外視するランダムな新行為生成も不可欠.ロボカップの参加者のうち戦略エンジンを作っている人にも色々な人が居るはずで,「定石」の集積とその適切な運用に興味のある人や,「勝つこと」を目的として新しい戦略を創造することに興味のある人が居るのだろうと想像する.ちなみに,前者より後者を「高級」と思っている人が多い.
シミュレーションの観点から言うと,サッカーの規則は,勝つことによって得られる利得(他のスポーツより面白い・勝つことを目的としてサッカーに参加したくなる)が大きくなるように定められるべきで,実際そのようになっている.この意味において,サッカーの規則に「勝つことを目的としてプレーせよ」と書いても書かなくても,プレーヤーの行為にはいかなる変更ももたらさない.
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