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2007年1月

2007年1月29日 (月)

センサの共有



メモ.


TinyDB: A Declarative Database for Sensor Networks


ネットワークに接続されたセンサノード(Mote)からのデータ収集を,Cプログラムによってではなく,SQLでデータベースを操作するように,手軽におこなうためのソフトウェア,とのこと.「ネットワークを介してセンサを共有」するためには,沢山の仕掛けが必要なはずで,そのような試みのひとつである模様.



Some of the features of TinyDB include:


Metadata Management: TinyDB provides a metadata catalog to describe the attributes and commands that are available for querying and invocation in the sensor network. Attributes can be sensor readings or internal software/hardware parameters. Commands can range from parameter tuning to physical actuations. Attributes and commands can be created through the TinySchema components in TinysOS.



TinyDBは,センサネットワークを「データベースのようにして」ユーザが使うための属性とか命令とかのカタログを管理する.



High Level Queries: TinyDB uses a declarative query language that lets you describe the data you want, without requiring you to say how to get it. This makes it easier for you to write applications, and helps guarantee that your applications continue to run efficiently as the sensor network changes.



ユーザは「何がほしいか」を入力すればよく,「どうやってデータを手に入れるか」を入力する必要はない.



Network Topology: TinyDB manages the underlying radio network by tracking neighbors, maintaining routing tables, and ensuring that every mote in the network can efficiently and (relatively) reliably deliver its data to the user.



ネットワークトポロジも管理する,とのこと.


実現したいインテリジェンスをメタデータのカタログに全部押し込んだような印象を持つけれども,こういう仕掛けを実現していることに感心.その動向に注意し続けようと思う.


2007年1月25日 (木)

グレッグ・イーガン「ひとりっ子」




ひとりっ子 (ハヤカワ文庫SF)

ひとりっ子 (ハヤカワ文庫SF)






本書は、「祈りの海」「しあわせの理由」(ともに本文庫)につづく、グレッグ・イーガンの日本オリジナル第三短編集である。



収録されているのは、順に「行動原理」「真心」「ルミナス」「決断者」「ふたりの距離」「オラクル」「ひとりっ子」の7編。


「行動原理」と「真心」は「インプラント」を用いる主人公の話。インプラントを鼻から吸い込むと脳に潜入、ナノマシンを放出して、神経組織を調べて適切にリンクし、設計された目的を果たす。



左膝でオルガスムを感じられるようにしたり。青い色を、失われて久しい記憶の中の母乳の味に感じられるようにしたり。さまざまな前提を脳に結線したりー「わたしは成功する」「わたしはこの仕事を楽しんでいる」



妻を殺されたり離婚を繰り返したりして来た主人公たちは、陽に目的が記述されたインプラントではなく、メタなレベルで目的を記述したインプラントを使う。すなわち、そのインプラントを自ら進んで使った人に特定の「信念一式を生じさせる」インプラントや、脳の特定の一部を「固定して変化しないようにする」インプラント。生活する過程で人を憎んだり人を愛したりして、その一時点で、自ら進んでその精神状態を、機械を使って固定する。このとき、固定されたあとの自主性やら自由意志やらは、過去の自分に強く拘束され続ける。過去の自分と現在の自分とは連続しているが同一ではない、という意味においてidenticalではない。そんな過去の自分に強く拘束され続ける現在の自分、という奇妙な状況を読者も体験できる。


「ルミナス」は、ふたつの「物理的に真であるような」数学の系をめぐる話。それらふたつの系の「内部では」矛盾なく論理を組み立てられるが、それら二つは互いに矛盾している(!)。そして、その二つの系の矛盾をあらわにする命題が次々と見つかる。その命題の分布が描くパターンの美しさや、その命題を巡るサスペンスが魅力的。読み進むにつれてひょっとしたらそんなこともあるかもと思ってしまうのは、筆力のなせる技か。


「決断者」は、なつかしのMinskyのモデルを文章により映像化したような作品。「心の社会」を初めて読んだときの興奮と落胆を思い出した。


「オラクル」と「ひとりっ子」は量子力学が提供する多重世界とロボットの自我と尊厳が重要なテーマ。特に「ひとりっ子」には鉄腕アトムが描くロボットの悲哀や人との共存、攻殻機動隊やイノセンスの人形、ホフスタッターの考察などなどなど、SF好きが好きなことが沢山ちりばめられた作品。「行動原理」ではインプラントを介して過去の自分が未来の自分に干渉するが、「オラクル」「ひとりっ子」では多重に歴史が分岐し、選択することにより選択されなかった自分と決別する。この意味ではインプラントを使った話と地続きでもあり、考察は深まっていて、個人的には魅力も増しているように思う。もっとも「ひとりっ子」は、



疑似科学の力を借りて人間を「異化」してみせる



ことに成功していて、普通に文学作品の小品としても楽しめる。ネタバレになるので詳しくは触れないが、母が母になって泣くシーンは印象的であった。


どの作品にも、ユーモア、粋なガジェットが山盛りで、お得な一冊。



GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊

GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊






イノセンス スタンダード版

イノセンス スタンダード版





2007年1月22日 (月)

グーグル通貨



NHKスペシャル|“グーグル革命”の衝撃  あなたの人生を“検索”が変えるには,「グーグル通貨」という言葉も出てきました.次の本を思い出しました.



二十一世紀の資本主義論

二十一世紀の資本主義論





本棚から引っ張り出しました.一部抜粋.



貨幣の発行者が貨幣の発行によって手に入れる利益のことを,一般に「シニョレッジ(Seigniorage)」という.それは,貨幣が貨幣であるかぎり,その発行に必然的にともなう利益である.



このあと,ドルが基軸通貨であることが語られ,アメリカがドルの過剰発行の誘惑にさらされつつあることが指摘される.



グローバル市場経済の真の解決がもしあるとすれば,それはグローバル中央銀行の創立以外にはありえない.




(略)信認を得ることを期待できないようなグローバル通貨を発行するグローバル中央銀行の設立に各国の支持が集まることもない.




もしグローバル中央銀行の設立にむけての世界的なコンセンサスがいつか生まれるとしたら,それは文明の対立や民族の抗争や南北の格差を超えて,地球全体がひとつの運命共同体となってしまうような大きな経済危機がおきたときでしかないだろう.



次のような事柄が,とりあえず気になりました.きっと連中は,すごいことを深く色々考えているに違いない.



  • 基軸通貨が二つあっても意味がない.

  • グーグル通貨を発行する際にグーグルがシニョレッジを回避するには.

  • ネット上の通貨と実世界の地域で流通する通貨との相性はどうか.

2007年1月21日 (日)

Google 革命の衝撃



NHKスペシャル|“グーグル革命”の衝撃  あなたの人生を“検索”が変える


番組の最後,"Control the stock market"は,「市場を支配する」ではなく,「市場を『制御』する」の意味ではないか.


グーグルは,株価の変動に影響する各種変数の値を,従来では考えられないくらい数多く計測・収集することができる.各種株価を思い通りの値にするという意味ではなく,株価の変動幅の大きさを一定以内に抑えるとか,そういう操作が思いつく.


追伸:


「経済の制御」の発想は,そういえば次の本に.


真空圧力炊き



ご飯を炊いた後,釜の中の圧力を下げる炊飯器.


Amazon.co.jp: 東芝 真空圧力炊き IH保温釜 1.0L炊き/約1~5.5合 RC-10VS(KS) カーボンブラック: エレクトロニクス


ご飯の味が落ちず旨い,とのこと.


スターバックス



スターバックスのコーヒーは旨いと思う.思っていたら,その理由は,豆の良し悪しよりも,豆を炒ってから,挽いてドリップするまでの時間が短さにあるとのこと.


2007年1月 8日 (月)

異同問題



考える人(No.19)の養老孟司氏の「モノ・教育・同一性」が,面白い.いつもながら緻密さの無い文章ですが,色々アラ探しをしても不毛で,色々汲み取るように読むべき文章だと思います.



じつは「同じ」ということを考え始めたときに,「同じ」を表す西欧系の言葉の意味が気になった. same という語は,じつはどういう意味か.「同じ人」というときに,これが使えることは間違いない.それなら「同一性」というときはどうか.identityという言葉が浮かぶ.一卵性双生児は identical twinsである.




双子をどう見たって同じじゃないか,ということになるから,identical twinsなのである.



時間的同一性や空間的同一性の重みが,西欧語の方が,日本語の場合よりも小さいようです.


上記文章では,次の二つのグループを対立させていました.



  • 意識・情報・概念化・様々なものを同一視する

  • 無意識・身体・感覚・様々なものの違いに気付く


西欧語は前者を優先し,日本語では後者を優先しているのではないか,と議論が続きます.


生物で言えば目や耳などの感覚器,機械でいえばカメラやマイクロフォンなどのセンサーは,上記二つのグループで言えば後者に属します.例えば文字認識機械(OCR)は,スキャナやカメラで文字の画像を計測し,どのような文字であるかを同定します.このとき,例えば「あ」という「同一の」文字が,フォントや書き手の癖や書くときにつかったペンやスキャナのノイズなどによって様々な「違った」パターンで計測されます.文字認識機械の凄さは,同一文字が持つ様々なパターンの「違い」は無視して,違う文字間のパターンの違いには気付く,そのカラクリにあります.これは,上記養老氏が指摘している異同問題そのものです.


異同問題の多くは,工学的装置においては,ソフトウェアが解決していて,このソフトウェアが実現しているアルゴリズムは,上記二つのグループのうち前者に属します.(「身体を含んだソフトウェア」に関する研究こそが実はニューラルネットワークの研究の醍醐味でもあるはずなのですが,そのような研究は少数です.)例えば固有空間法と呼ばれる文字認識の常套手段では,この異同問題を統計処理で解決しようとします.すなわち,「あ」とか「い」とか書かれたパターンを山ほど集めてきて,「あ」に属するパターンが示す「違い」と「い」に属するパターンが示す「違い」を,平均と分散で表します.そして,新しく計測した文字が「あ」か「い」かを判定する場合,それぞれの平均パターンとの「違い」をまず計算して,次に,その「違い」が文字「あ」が示す分散の範囲内か,それとも,文字「い」が示す分散の範囲内かを計算します.それぞれの文字が示す分散を無視することで「同一」とみなすわけです.このようなアルゴリズムは,脳を解剖しても分かりません.上記文章で「無意識」とか「(同一と判定できることが)前提」とかとアッサリ記されている,まさにその部分を機械的に実現しようとする一派が,工学の分野に居ます.異同問題は,そのような一派に属する者にとって,何十年も前から問題であり,しかも工学的なシステムとして実現するための「解決」を図り続けている問題でもあります.その一派に属する西欧人と日本人とでは,取り組んでる問題の位置づけが違うかもしれないな,と,上記identityという語が持つ意味合いの違いの指摘を見て思いました.


2007年1月 6日 (土)

なにかの認識



小学1年生の男の子が,自分がいつかしんじゃうことを折に触れて思い出して,泣いている.私は同じような体験を小学4年生のときにした.はずなのだが,何を言ってあげればよいのか,何を言ってはいけないのか,分からずうろたえる.私の親も私が怖がったときに今の私と同じようにうろたえたのだろうか.何か得られるかと思ってウェブで検索したが,検索の仕方が悪いのか,何も得られない.


2007年1月 5日 (金)

年末年始のテレビ



駅伝のほかでは,NHKの対談「よく生きよく死ぬために 五木寛之・塩野七生」がなんとなく印象に残りました.「インフラ」に関する塩野氏の考え方を,もう少し聞きたかった.番組冒頭,昨今の自殺者数の増加について塩野氏が「平和の代償」と言っていました.五木氏にしては紋切り型な物言いへの反発だったのだと思いますが,後半出てきたパックス・ロマーナで,同様の代償が支払われていたのか否かは確認してみたいところでした.


こういう対談を見て感じることと,自分の仕事との橋渡しがなかなかうまくできません.小松左京氏の「宇宙に文学は必要か」という問いかけを思い出したりもしました.


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