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2007年3月28日 (水)

地中生命の驚異



必要があって久しぶりに一部を読み返す.系統樹の話と窒素循環の話が面白い.


rRNAを手がかりにすると,生き物は「真性細菌」「古細菌」「真核生物」の領界に分類できる.Trees Based on 16s rDNA



人々に強い印象を与えたのは,身の周りに見られる生命の多様性,つまり多細胞の植物と動物が,新しい普遍的な系統樹では,真核生物という一つの枝の中の二本の小枝に過ぎないことだった.



小学校以来,ミドリムシは動物と植物の間の生き物であるような印象を持っていたけど,この系統樹を見ると,ミドリムシが動物・植物・細菌といった馴染みの生き物から随分離れた存在だってことが分かる.


あと窒素循環について.


地球上で生きるすべての細胞が窒素を必要とするが,呼吸で窒素分子を吸い込んでも,体内に同化させることができない.空中の窒素ガスを体内に同化させてくれるのは,土中に住む「窒素固定細菌」と呼ばれる原核生物.これら細菌は窒素分子を「ニトロゲナーゼ」という酵素をつかって窒素ガスをアンモニウムに変える.



この貴重な酵素が,全地球に数キログラムしか存在しない(中略)これを失うと今日の地球の生命は停止してしまう.




二〇世紀初頭,彼ら(科学者たち)はパニックに襲われた.堆肥や採掘された埋蔵窒素だけでは急増する人口を支えるだけの肥料を十分に作れない




窒素はトリニトロトルエンを始め戦争で利用される爆発物の重要な原料だった




そこで二〇世紀初頭の一〇年間には,地下の窒素固定細菌が何十億年もやってきたこと,つまり窒素ガスからアンモニウムを作る方法を解明する競争が始まった




(フリッツ・ハーバーが)1909年に合成方法の特許をとった




今日でもハーバーの方法が経済的に実行可能な唯一の合成窒素の生産方法




今日地球規模で見ると人間がハーバー法で固定する窒素量は,土壌に生息する窒素固定細菌全部が固定する窒素を上回っている.言い換えると,我々は重大なやり方で窒素循環に割り込んでいるのだ.しかし我々は正当な理由でそうしてきた.どの時期をとっても,人口の最低三分の一はハーバー法で食物を与えられていると考えられるからである.




ハーバー法は飢えた世界に食物を与える助けになったが,それは同時にもっとも重大な環境的脅威を生み出した.




問題となるのは硝酸塩だけではない.細菌では二酸化窒素と呼ばれるガス状の窒素が心配されている.




人間の知恵はいつも人々に食物を与える方法を見だしてきた.我々が窒素循環に手を加えた結果生み出された環境問題も,同じ人間の知恵で解決できるだろう.




この一世紀の間に我々がおこなってきた窒素固定によって,地球が維持できる生命の環境容量は著しく大きくなった.その生命,そして自然環境の質を維持してゆきたければ,我々は自分たちが固定する窒素をよりよく,より効果的に管理する方法を見いださなければならない.



自分の体が窒素工場無しでは維持できないことを知ったときは,少なからずショックだったものです.



地中生命の驚異―秘められた自然誌

地中生命の驚異―秘められた自然誌





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