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2008年6月

2008年6月30日 (月)

Nonparametric belief propagation

原稿PDF

確率分布を混合ガウス分布で表わしたうえでの、確率伝搬法の計算法とその顔画像解析への応用。メッセージの計算やその統合にはGibbs samplerを用いる。

顔画像解析では、左右の眼・鼻・口の左右の端の5か所をノードにみたてて、各ノードに画像をあらわす10次元と位置の2次元をあわせた12次元の状態変数をわりあてる。各ノードに対応する局所画像に基づいて、隠れ変数である12次元の状態変数を推定する。この際にノンパラメトリックな確率伝搬法を用いる。すると、5か所のうちの一部が隠ぺいされていても、他の領域からのメッセージに基づいて、隠れている部分の画像パターンや位置を推定できる。

体がNoと言っている

毎年この時期に体を壊す。昨年は腹の調子が悪くなって、今年は肩こりと腰痛と風邪である。漠然と6月末のこの時期というのではなく、毎年6月中旬に開催される国際学会で発表して帰ってきてから不調になる。

たいてい年度末の12月ころからこの時期まで、卒業とか入学とかのイベントがずっと続いて、今の時期にようやくひと段落する。その疲れがこの時期に出るだけだろうと言い聞かせてきたけれども、実はそうではなくて、体がNoと言っているのであった。そう、ずっと気づいていた。

国際学会に出ると、昨年度一年間の自分の研究の進捗度合を自ら検証せざるを得なくなる。そのほか、たとえば自分の英語のスキルの伸びの遅さとか、4月に入ってきた学生たちに与えた卒研テーマのレベル設定の見直しとか、そういった諸々の気になることが積み重なる。そうして気になる事柄の細部を意識しきれなくなるのがこの時期、ということだろう。

GTDで最初におこなう作業は懸案を書きだすことであった。体がNoと言っているときほど、この作業に割く時間を無意識のうちに避けたくなるもので、でも、そこを避けずに冷静に書きだして意識化することが重要なのだろう。

…それにしても、「自分の双肩にかかってる」と思うようなストレスに対して肩がこったり、気にしている事柄の無意識の度合が深くなるほど調子の良くない部位が胃から小腸→大腸へと降りて行ったり、なんだか「そのまんま」なアナロジーで体はNoを訴える気がする。

2008年6月29日 (日)

ピエトロ ドレッシング

ドレッシングのおいしさは、買ってからなくなるまでの時間の短さで測ることができる。ピエトロ ドレッシングはここ最近のなんばーわん。

ヘレネ

ゼウスとレダの娘、スパルタの王妃で、トロイアのヘレネとして知られている。(中略)ヘレネは、女神にまごう才覚と輝くばかりの肌、白鳥の優しい逞しさと母親譲りの大きな青い目をもっていた。ヘレネの美しさは比類なかった。(出展:ギリシア神話小事典

彼女は、人間界で最も美しい女性で、トロイア戦争のきっかけに。

  1. 「黄金のりんご」のために、アプロディテはパリスにヘレネを与えることを約束する。
  2. パリスがアプロディテに黄金のりんごを与える。
  3. アプロディテはヘレネの夢にあらわれて「愛の奥義」を伝授する
  4. パリスがヘレネをスパルタからトロイアに連れ去る
  5. トロイア戦争になる

黄金のりんごには、「もっとも美しき者へ」と書かれていて、女神3人が奪い合ったもの。その言葉を書いたのは軍神アレスの醜い妹エリスで、自分がペレウスとテティスの結婚式に呼ばれなかった復習をするためであった。おそろしやおそろしや。

そういえば、映画バンデットQに一瞬でてくるあの女性はヘレネであったろうか。

ギリシア神話小事典」は、ギリシア神話の登場人物ひとりあたり、だいたい1ページずつぐらいの解説がついてるけれども、ナウシカについては4ページ近い解説がついている。このことを、宮崎駿が「著者のバーナード・エヴスリンもナウシカが気に入っていたのだろう」という趣旨の発言をしていた記憶が。

2008年6月28日 (土)

出張が続く

都内出張が続く。今日は論文誌の編集委員会。
国際学会に投稿した内容と(ほぼ)同じ内容の論文が国内英文誌に投稿されてきたときの対処法についての議論が少し長引いた。著作権の観点からの問題と、論文誌の役割の観点からの問題とがあって、結論がなかなかでなかった。国際学会といってもピンキリであるという事実だけでも、上記対処法を明文化するのをほぼ不可能にする。

新規になされた研究成果の評価は、追実験により厳密におこなうわけではない。論文の「面白さ」の評価は、論文を読んだ直後の、言語化される以前の「感覚」に大きく根ざしたものである。また、論文の信頼性は、著者の研究者としての良心を前提にしないと、基本的には評価できない。

…というわけで、手続きのアルゴリズム化が本質的に困難な問題に対して「アルゴリズム」を必要としてしまう事態がなぜ引き起こされたのかは、考えないといけない問題である。

中国から投稿されてきた英語論文の本文の文章を検索にかけたら、全然異なる著者の論文を丸ごと移して著者名だけ変えたものであったことが判明したり、同じ内容の日本語論文を同時に異なる論文誌に投稿して、それら論文がたまたま同一の査読者に回ってきて不正がばれたり、驚天動地なことが頻繁におこる。

内容は同じまま日本語を英語にして投稿することは日常茶飯事であるが、もちろんこれも本質的に二重投稿であるわけで、こういうことを考えだすと、有能な研究者は二重投稿の疑いをかけられることから逃げるために英語による発表に統一する。

こうしてグローバル化の波はいとも簡単に学会界隈にも押し寄せて、クオリティーの格差が出現して国内学会の権威が相対的に一層低くなって、日本の若手研究者を日本の学会が育てられなくなってきて、そのことが頭脳流出を加速する。…と短絡するのはどうかと思うけど、なんというか、よくよく考えないといけないのは確かなのであった。

2008年6月27日 (金)

インテルとマイクロソフトのススメ

えぇ、ホッテントリメーカーを使いました。

センサネットワークを使ってヘルスケアとか農作業管理とか鼻息が荒いわけですが、ふたをあければ、気温を測って無線で飛ばしてモニタする「だけ」で終わったりします。現場で本当に使えるシステムを作るんだという迫力を感じるシステムにはなかなか御目にかかれません。

センサネットワークが普及するには「キラーアプリが必要だ」と随分昔から言われていて、右往左往して、まだ見つかるには至っていません。MEMSで小型低消費電力なセンサデバイスができて、無線通信により配線することなくデータを収集する。その魅力はシステム実装の自由度の高さのはずで、その自由度の高さは、個々の事例にあわせてカスタマイズすることに活かすべき特質なのでした。

ところが、センサネットワークに詳しいエンジニアと、ヘルスケアとか農業の現場の知識との間に大きな溝があって、エンジニアは相手が何を欲しているかを理解せず、現場の人はエンジニアリングで近未来に何が出来うるかを想像できません。

この大きな溝を埋めるには、エンジニアかその近くの人が現場に入って、システムとして何が必要とされているかを理解する必要があって、その理解も現場にまみれているうちにおのずと分かってくるというようなアプローチではなくて、科学的に調査する必要があります。具体的には、民族誌学が、そのような調査法を提供してくれるようです。

インテルには、センサネットワークシステムをぶどう園の管理に応用するために民族誌学的な手法を適用した優れた研究があります。また、ヘルスケアに応用した事例もあるようです。

前者においては、ワイン農場で農家の人が知りたいのが「気温」とか「湿度」とかではなく、「ブドウに病害虫が発生しやすい状態への警報」であることをつきとめ、その警報を発するには何を測れば良いかを農学部の教員と研究し、測るべき対象の計測に適したセンシングデバイスを設置して、ようやくシステムが完成してました。気温センサノードを設置しただけのようなトイシステムとの違いに呆然とします。

エンジニアが、自分にできることを現場で使ってみたくなって、現場にすでに蓄積されている高度な専門知識を知ることなく、トイ・システムを押しつける。それはヘボいことですし、ひそかにエンジニア自身も自分がヘボであることに薄々気づいていたりする。気づいていながら押し付けるのは、本当に使い物になるシステムを作るための方法論を持ち合わせていないことに大きな理由があるのではないか。

インテルとマイクロソフトは、どうやら、民族誌学の研究チームを持ち合わせている模様で、現場を調査して、現場のためのシステムを「本気で」構築することを試みていて、民族誌学実践法の国際会議を2005年から毎年開催しています。今年で4回目。面白そうです。

インテルもマイクロソフトも、「穴を掘るなら水が出るまで」というか、「センサネットワークに手を出すなら、本当に有用なものができるまで」徹底的に考えて、実践して、トイ(おもちゃ)ではない本物のシステムを作り出そうとしているように見受けます。

べた褒めするのは悔しいのですが、インテルとマイクロソフトのこういう徹底的な姿勢は、見習いたいところだし、ホッテントリメーカのご宣託どおり「インテルとマイクロソフトのススメ」なのでした。

2008年6月26日 (木)

しみチョココーン

学内生協のレジ横にあるのが主な理由で定期的に買うお菓子。ケンキューとかベンキョーとかする際に3時のおやつは不可欠で、甘すぎなくて、ひとくちかふたくちで満足できる程度にボリュームと充実感のあるおやつが欲しい。この菓子はカールのようなパフにチョコレートがしみこませてあって、そのおかげで口の中でかさばって、ほどほどに甘いので、息抜きに食べるのに不満がないです。

センシングのための情報と数理

センシングのための情報と数理 (計測・制御テクノロジーシリーズ 2) Book センシングのための情報と数理 (計測・制御テクノロジーシリーズ 2)

著者:出口 光一郎,本多 敏
販売元:コロナ社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

目次より

  1. センシングと物理法則と情報
  2. センシングにおける情報の伝達
  3. 能動センシングにおける情報選択
  4. 信号の表現と解析
  5. センシングの信号処理
  6. パターン計測としての信号処理
  7. いろいろなセンシング

表題のとおり、計測を情報の観点からとらえなおしたテキスト。著者らの最近の研究成果についても少しだけ触れられている。逆問題の解法と能動的なセンシングの二つが同居しているところに著者らの個性が感じられる。体裁は初学者向けに見えるけれども、実際は、計測に関心を持って少し勉強したあとの中級者向けの本かもしれない。

2008年6月25日 (水)

腰痛

子供(約10kg)をおんぶしながらパソコンに向かって小一時間作業をした翌日であるところの今日、強烈な腰痛に見舞われた。歩くのがつらいし、走ることなどもってのほか。子育て中の友人知人に腰痛とかギックリ腰を経験している人が多くいるけれども、とうとう自分も。 日頃の鍛練が不足して腰回りの筋肉が落ちてたのかもしれない。

コルセットとかなんとか、腰を固定する幅広のベルトを探していて、家にあった女性用・腰痛用のベルトを試してみた。…締め付ける強さの加減が難しいけれども、少し楽に。伸縮して通気性も悪くないのがポイントか。

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販売元:あんしんBOX
楽天市場で詳細を確認する

2008年6月24日 (火)

パソコンはなぜ「0」「1」で動いてるんですか

と先日の公開講座で高校生に質問された。半分誘導もしたのだけれども。誰がどういう経緯で0/1にしたのか本当のところは知らないけれども、サイバネティクスの第5章には次のように書いてある。

計算機の原価の相当な部分は、金額の面でも、建造に要するコストの面でも、数字を明瞭かつ正確に記録するという簡単な問題のために費やされている。

以下、要約。

n進法で数字を記録するには、一様な目盛りのうえを何か指針が動く仕掛けを用意して、なおかつ目盛りがn-1個の範囲で正確に動くように仕上げればよい。そのような仕掛けの価格は、nが多いほど高くなるはずである。定数をAとおくと、その金額はA(n-1)円であらわすことができると仮定する。

情報量 I ビットを記録する計算機は、2^I とおりの数を明瞭かつ正確に記録しなければならない。このため、それを一桁で実現しようと思うと、A( 2^I - 1 )円かかる。

これを二桁で実現しようと思うと、各桁は2^(I/2) とおりの数を記録できれば良い。なぜなら、それが二つあれば、2^(I/2) * 2^(I/2) = 2^I とおりの数を表現できるからである。したがって金額は 2A(2^(I/2) - 1)円になる。

同様にN桁で実現するための原価はN*A(2^(I/N) - 1)円になる。これは、Nが大きくなると単調に減少する関数である。ただし、2^(I/N)が1以下になると(各桁が記録すべき数が一つもないことになって)無意味になる。このため、Nの最大値はIでこのとき、各桁は0か1か二通りだけを明瞭かつ正確に区別する。

つまり、計算機が0/1で設計されているのは、そのようにすると数字を明瞭かつ正確に記録するために必要なコストが低くなって、その代わり沢山の0/1を記録しなければならなくなるけど、それでもトータルではそれが一番安価だからである。

要するに、そのほうが「安くできるからじゃないか」と答えたのだけど、本当はどうなのかしらん。

(千夜千冊)サイバネティックス 動物と機械における制御と通信

2008年6月23日 (月)

炭酸水

私の場合、ビールを飲みたくなる場合の多くは、酔いたいのではなく、炭酸のシュワッとした感じたいだけであることが多い。そういうときは、炭酸が強くて、硬度が強すぎない炭酸がほしくなる。ここ数年のお気に入りは生協の「ただの炭酸水」。旨くて炭酸が強くて値段も(それほど)高くない。

2008年6月22日 (日)

鎌倉の大仏の素材

以前も触れたけど、鎌倉の大仏の素材には宋銭が使われていた。下の本でも述べられている話だし、今回の話は、何が新発見だったのかしらん。鉛の同位体比から揚子江流域の鉛であったことは、その筋の人たちには知られていたのではなかったかしらん。

それはびっくり-finalventの日記
朝日新聞のニュース

古美術を科学する―テクノロジーによる新発見 (広済堂ライブラリー) Book 古美術を科学する―テクノロジーによる新発見 (広済堂ライブラリー)

著者:三浦 定俊
販売元:廣済堂出版
Amazon.co.jpで詳細を確認する

2008年6月21日 (土)

返却絵本リスト

うみへいくピン・ポン・バス Book うみへいくピン・ポン・バス

著者:鈴木 まもる,竹下 文子
販売元:偕成社
Amazon.co.jpで詳細を確認する


みつけたよ (ちひろ美術館コレクション絵本) Book みつけたよ (ちひろ美術館コレクション絵本)

著者:いわさき ちひろ,ゆうき まさこ
販売元:小学館
Amazon.co.jpで詳細を確認する


くれよんのくろくん (絵本・こどものひろば) Book くれよんのくろくん (絵本・こどものひろば)

著者:なかや みわ
販売元:童心社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

ひ・み・つ (たばたせいいちの絵本) Book ひ・み・つ (たばたせいいちの絵本)

著者:たばた せいいち
販売元:童心社
Amazon.co.jpで詳細を確認する



つきよのキャベツくん (えほんのもり) Book つきよのキャベツくん (えほんのもり)

著者:長 新太
販売元:文研出版
Amazon.co.jpで詳細を確認する


ミッケ! びっくりハウス―I SPY 2 Book ミッケ! びっくりハウス―I SPY 2

著者:ウォルター ウィック,ジーン マルゾーロ
販売元:小学館
Amazon.co.jpで詳細を確認する



こねこのきょうだいグルグルとゴロゴロ-せんぷうきのぷうこちゃ (おひさまのほん) Book こねこのきょうだいグルグルとゴロゴロ-せんぷうきのぷうこちゃ (おひさまのほん)

著者:江川 智穂
販売元:小学館
Amazon.co.jpで詳細を確認する


だれかな?だれかな? (0・1・2えほん) Book だれかな?だれかな? (0・1・2えほん)

著者:なかや みわ
販売元:福音館書店
Amazon.co.jpで詳細を確認する



そらとぶねこざかな Book そらとぶねこざかな

著者:わたなべ ゆういち
販売元:フレーベル館
Amazon.co.jpで詳細を確認する


 あかいまるなーに? あかいまるなーに?
販売元:TSUTAYA online
TSUTAYA onlineで詳細を確認する


だるまちゃんとうさぎちゃん (こどものとも傑作集 (46)) Book だるまちゃんとうさぎちゃん (こどものとも傑作集 (46))

著者:加古 里子
販売元:福音館書店
Amazon.co.jpで詳細を確認する


ぬすまれた月 (レインボーえほん (3)) Book ぬすまれた月 (レインボーえほん (3))

著者:和田 誠
販売元:岩崎書店
Amazon.co.jpで詳細を確認する

公文書

公文書管理で中間報告

今日の日経新聞の「沖縄市の空白 米で発掘」の記事は面白かった。米国国立公文書館・記録管理局NARAで

公文書を扱う専門家アーキビスト

仲本和彦氏の記事。

メリーランド大学で始まった大学院の授業は厳しいの一語に尽きた。アーキビスト要請課程は、米国の大学で必要な単位のほぼ二倍

とのこと。

私は米国で、政府内での政策決定や外交交渉の過程を記録として残して公開請求に応じる、民主主義の基本となる仕組み、そして精神を実地に学んだ。日本では今、公文書管理を行政機関に義務付ける法律の制定が準備されている。果たしてどのような内容になるのか、注意深く見守っていきたい。

沖縄史に空白があって、それが米国でしか埋められないのは、とてもヘボい。「民主主義の基本となる仕組み、そして精神を実地に」学ぶ国費留学生を大勢派遣するのはどうだろう。精神については、このようなすぐれたブログも。

2008年6月20日 (金)

村上隆 シーブリーズ

シャッターの付いた巨大なボックス状の構造体の中に電気量1,000ワットの夜間工事用の水銀灯を、ロケットの噴射口に見立て、片側に8灯ずつ、計16灯廃止、強烈な熱と光を放つ作品

薄暗い部屋に両面をシャッターに挟まれた薄い箱を載せた貧弱なトレーラーが展示されていて、でも45分間に1回、それらシャッターが開く。開くにつれて、中から強力な白色光が漏れ出てきて部屋が光に満たされる。そのときは、普通に神々しい何かを感じる。で、シャッターが下りるときは、なんだか滑稽で笑ってしまう。初めて見た。忘れられない作品になりそうである。
Murakami1

ロン・ミュエック展

金沢21世紀美術館ロン・ミュエック展

リアルだけれども、スケールの違う人物像。リアリティの源は、毛とかシミとか吹き出物まで再現された表面のテクスチャだけではなく、座ってる人物のお尻が座面と接している部分の肉の歪みのように、世界と接している箇所の力学を感じさせる部分にありそうであった。

Mueck

プールにて

金沢21世紀美術館にて

プールにガラス板で蓋をして、その上に10cm水をはる。プールの上から覗き込んだり、下から見上げたりすることができる。作者名失念。作者がおぼれかけたときに見た水中からの景色の美しさが、この「作品」をつくるきっかけだと解説にあったけれども、ほんとかなぁと思う。いずれにせよ、面白かった。解説を見る前にプールを覗き込んで、この写真の景色を見て驚くのが正しい接し方だったようだ。失敗失敗。200806204200806205

写真のつなぎ合わせ

金沢21世紀美術館にて。

200806203 同じ風景を、すこしずつフレームをずらしながら撮影して、それら写真を手作業でつなぎあわせてひとつの大きな写真に。どなたの作品かメモするのを忘れた。

手作業ではなく、自動的に実行するソフトウェアはこちら

同じ部屋に、風景写真を切り抜いて、元の景色の3次元の形に貼り直した作品もあった。
200806202 油断してると、本当に街の歩行者を撮影したようにみえるのではないかと。


これを自動的におこなう試みはこちら

明後日朝顔プロジェクト

今日は帰宅する前に、金沢21世紀美術館へ。金曜平日なのに、すごい人出。

明後日朝顔プロジェクト。日比野克彦氏の作品。2003年スタート。新潟莇平で撒いて実った朝顔の種を収穫して、その種を持って別の場所に植えて育ててまた種を収穫して。今日このプロジェクトのことを初めて知った。

チラシより。

  1. 種を収穫したときに芽生える、記憶を形にした不思議な気持ち
  2. 種を蓄えているときに感じる、待つ時間を楽しむ気持ち
  3. 種を送るときに思う、地域と地域がつながる気持ち
  4. 種を土に植えたときに思う、見えないものを信じる気持ち
  5. 蔓がロープに巻きついたときに感じる、ホッとした気持ち
  6. 花が開いたときに感じる、声をかけたくなる気持ち
  7. 種の房ができたときに生まれる、これまでとこれからがつながる気持ち

ほかに、種を土に植えた後、芽が出るまでに感じる不安感とか出てきてほしいと強く思う心とかにも触れたイメージボードが展示されていた。種を、様々な思いを運ぶ舟に見立てて。

そういえば、トトロが祈って、畑に植えてなかなか芽の出ない種から芽が出てくるシーンは、娘のお気に入りである。子供も(子供こそ)、畑に球根とか種を植えて植物を育てる過程で、上の七つに相当する気持ちを強く感じている。

ホーム→アンド←アウェイ方式

自分自身やその置かれた環境(ホーム)と、他人や未知の環境(アウェー)を行き来することで自分を発見し、多様な人々と出会い、新しいつながりを作り出していくこと

研究者にとって国際学会などでの対外発表はホーム→アンド←アウェイ方式の実践なのだと思う。

センサネットワーク

数年前まで「センサネットワーク」は流行の兆しを見せていたけど、最近は、「面白そうだけど使えない」という判断が定着してしまった模様。

みんな右往左往しすぎ。

SenSys

センサネットワーク系の学会で最もインパクトの大きい学会。残念ながら日本人はこれまで一人も査読を通ったことがない、とのこと。デバイス、通信、システムデザイン、プログラミング、推論のアルゴリズムなどなどをまたがる広範な知見が必要で、それぞれのエキスパートが自己組織されるかどうかが肝な気もする。

2008年6月19日 (木)

Wii vs Xbox

アメリカの中学生と話す機会があった。人気のゲームマシンは何かと聞いたら、14歳以下はWii、それより上はXBoxと答えた。へぇ。PlayStationはtoo expensiveと言っていた。

金沢工業大学ライブラリー

曙文庫 の見学をした。例えば、こんな本のページを自分の手でめくったりした。文を読む教養は無いけれども、わくわくした。ニュートンとかラプラスとかの偉人の体温のようなものを感じた。
20080618 200806182

2008年6月18日 (水)

秋葉原

事件が起きた場所の近くで働く人と住んでる人に話を聞く機会があった。下記の記事とずいぶん印象が違った。
絶望映す身勝手なテロ

筆者は一報を自宅でネットで知った。第一印象は「ついに起きたか」だった。

むろん、事件発生を予想していたわけではない。しかし最近の秋葉原については物騒な報道が相次いでいた。パフォーマンスが過激になり、規制強化が囁(ささや)かれていた。

地元の人(の一部かもしれないけれども)は、あの事件が起こるまで秋葉原はすこぶる安全で治安の良い街だと自負していたと。例えば、街に風俗店はほとんどないし(メイド喫茶は風俗店に非ず)、飲み屋も少ない。夜9時にもなると街全体が暗くなって静かになる。夜なお明るい有象無象の集まる新宿鮫な街ではない。「パフォーマンスの過激さ」があったとしても、それは治安の悪さを予期させる種類のものではなかった。

メディアが創作した秋葉原のイメージは、上記のような地元の人が街に抱いてる印象を伝えない程度には強い。そういえば、犯人が殺人をはじめてから警察に逮捕されるまで2分間しかかかってなかったことも、今日初めて知った。

SensorMap

マイクロソフトがこんなページを立ち上げていたとは知りませんでしたが。
SensorMap
インフラとしてセンサを多数配置して計測データ自身を「検索」の対象とする。…らしいんだけれども、どうなんだろ。どうかなぁ。

日本なら、「海」にセンシングのネットワークを大至急構築すべきだろうと思う。地震センサネットワークだけではなく。

2008年6月16日 (月)

神社にて

神社にいった。たくさんの絵馬が奉納されていた。絵馬に書かれたお願いごとを見ると、自分のことではなく、大切な人のことを書いたものが多かった。おじいちゃんやおばあちゃんやお姉ちゃんや孫が無事に過ごせますように。

そんな絵馬をしばらく見てて色々感じていたら、風が吹いて、絵馬が揺れてぶつかりあって、カラカラカラと乾いた音をたてた。
Foo1 Foo2

Comparison between Constrained Mutual Subspace Method and Orthogonal Mutual Subspace Method

論文のpdf ファイルはここ。

部分空間どうしの正準角を大きくするための方法に相互部分空間法がある。相互部分空間法を特徴空間(無限次元も可)で適用することが、カーネルトリックを使うとできる。さて、その効果は、という話。

著者らが展開してきた仕事をトレースするのに適した論文。パターン空間では次元が足りずに(!)直交化できない場合も、非線形特徴空間に写像するといくらでも直交化できるようになる。測度の観点から何が起きているのか解析できないか。あと、写像前と後のsupport vectorの変化とかソフトマージンされる対象に変化はないか解析できないか。

金沢

出張で金沢に。昨日食べて美味しかったもの。

  • キスのつみれ汁
  • 岩牡蠣
  • ノドグロ(ムニエル風)
  • 天狗舞

岩牡蠣は普通の牡蠣と比べてなんとなく格下な気がしていたけれども、すこぶる美味しい牡蠣だった。ポン酢で。天狗舞のほかに吉田蔵も試したけど、天狗舞に軍配。ノドグロ は、口を開けた時に喉が黒いからそのように呼ばれるとのこと。

こういうのを書くときは写真に納めないと締まりがなくなるのか。

2008年6月15日 (日)

幼稚園父親参観日備忘

  • 父親参観日。幼稚園の出入口に、守衛とパトカー。昨年までパトカーはなかったのだけれども。夏祭りが中止になったことと関係ありそう。幼稚園でのお祭りのたびに、パトカーが来る。今年だけではなく、来年も再来年も、ずっと後まで警察が来なければならないのだろうか。警察を必要とするほど我々の子供に敵意をもってる輩が幼稚園の近くにいるのだろうか。
  • ♪おてらのおしょさんが…の歌が、自分の知ってるバージョンより長かった

お寺の 和尚さんが
かぼちゃの 種をまきました
芽が出て ふくらんで
花が咲いて 枯れちゃって
忍術使って 空飛んで
東京タワーに ぶつかって
カミナリ鳴って じゃんけんぽん

~花が咲いて、じゃんけんぽん だったと思っていた。「忍術使って」ときたら、続けて、空を飛ぶことも湖の水を飲み干すことも できる。素晴らしい。

  • 娘がカナブンの死骸を見て、「あ、虫さんが死んでる」と言った。娘の口から「死」の単語を聞いたのは、はじめてだ。そうか、登場人物が死ぬ童話を聞かても、大丈夫になりつつあるのかもしれない。

2008年6月14日 (土)

ピアスにまつわるささやかなかいわ

トポロジーの話をしていた学生の会話

「キリンの首は長いけど、トポロジーの観点では人と一緒だ」

「人だけじゃなくて、猿とも一緒だし、大抵の動物はチクワと一緒だ」

「イソギンチャクとは違うな。哺乳類でチクワじゃない奴は居るか」

「…穴の数が増えないと」

「…ピアスするとトポロジーが変わるな」

「おぉ。片耳の場合と両耳の場合は違うな」

「鼻ピアスもヘソピアスも穴の数が同じなら同じだ」

「ピアスってすごいな。人のトポロジーを変えるのか。そういえば、あの歌手は…」

トポロジーの話はここで終わって、あとはピアスとか刺青とかパンクロックとかの話になったのであった。

尖閣諸島

尖閣問題で「戦争も排除せず」

5月に政権復帰した国民党は、「一つの中国は中華民国」という虚構を抱え、沖縄県は「琉球」と表記して「自国領土」とみなし、尖閣への領有権を主張している。

思い出してみる
http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2004/03/post_49.html

だが、「尖閣諸島が日本の領土ではない」ということはどういう意味かというと、これは沖縄に及ぶ。沖縄は依然日本の領土ではないのだ。

難しくて、これが理解できていない。たとえば、領土を特定の国にauthorizeするのは結局誰なのだろう。どの政府に施政権を信託するかを、住民は自主的に決められるのかしらん。…よほど恵まれた環境にないと決められないのだな。戦争も含めた外交で決まるのだとすると、財の不断の管理が不可欠なはずで、えーっと、そういう事柄に関する我々の信頼に政府がきちんと応えてくれているかどうかを我々が不断に管理しなければならなくて。

ぬすまれた月

ぬすまれた月 (レインボーえほん (3)) Book ぬすまれた月 (レインボーえほん (3))

著者:和田 誠
販売元:岩崎書店
Amazon.co.jpで詳細を確認する

世界じゅうの人が 月をみる。
どこの国でも<月>はきれいなことば。

月は衛星であるとか、地球からみえるのは月の59%だとかいう科学の解説の合間合間に、月にまつわるおとぎばなしが挿入されていて、驚きながらも楽しめる。そう、科学とおとぎ話は、重ね描くことができるのだ。

2008年6月12日 (木)

Video of Rice Illumination Based Single Pixel Cameras

compressed sensingには、なんとなくワクワクするものがある。

論文の査読

査読を引き受けてもらえるのはうれしいけれども、引き受けてくれたのに中々結果を返してくれないのはどういう了見なのか。投稿した人は結果を首を長くして待っていて、たとえばこれが博士課程の学生さんで、論文採録数が規定に達するか否かの瀬戸際だったりすることもあるわけで。

丁寧な文体で催促して、その催促メールを頻繁に出すことになると定型化してきて、もはや出す側もその定型文の効力を信じられず、受け取る側も定型ノイズとして知覚すらできなくなっているに違いない。

条件付き採録後の2回目の査読で、条件を満たす修正がなされたか否か、ほんの5分ほど時間を割いて読んでくれるだけで判定できそうなレベルの論文であるのに。

噂では筋の良い論文の査読をして、その仕事を妬んで、足を引っ張るためにわざと応答を遅延させる不逞の査読者が居ると聞くし、それは噂でもなんでもなくて事実だったりするのが信じがたいし、そうやって国内の学会で地位を勝ち得て、だからどうした国内パラダイス鎖国であるのだが、今回の査読遅延はそういった泥利としたダークサイドな話ではなく、あっけらかんと、ずぼらに遅滞している空気が濃厚で、やっぱり信じがたい。

困ったことである。

2008年6月11日 (水)

引っ越しによる計算機の故障

研究室の引っ越しをした。今までいた建物の耐震強度を高めるための補強工事の間、バッファの建物に移動。距離にして100メートルほど離れた建物へ。コンピュータがだいたい40代程度。今回の移動の直後、電源を投入して素直に立ち上がらなかったコンピュータは3台。うち1台は、マザーボードの接触不良、もう一台はCPUと冷却ファンの乖離、もう一台はシャットダウン前の設定ミスが原因だった。CPUと冷却ファンの問題は、シリコングリスで乗り切れないか試験中。

不具合発生率は5%程度。だいたい予想していた範囲内であった。

iPhone 3G

歩行中に音楽を聞く習慣がないから、iPhoneを買っても、それで音楽を聴くシーンは私にはあまり訪れないんだろうな。今持ち運びたいのは、音楽じゃなくて書類だ。自分の論文も含めて、過去に読んだ論文の全てをPDFなどの汎用の形式で、互いに「参考文献」の箇所でリンクしつつ、iPod+Macのような感覚でポータブルに持ち運びたい。

それはともかく、この機会に(?)、自転車運転中のヘッドフォンは法的に禁ずるべきだ。iPhoneで音楽聴きながら自転車に乗ってたら電話がかかって…てなことが日常に溢れるのは怖い。そういえば、電気自動車に試乗したとき、走行音が小さくて驚いた記憶が。「走行中はわざと大きな音をスピーカーから出すかもしれない」と案内の人が言ってたっけ。

眼は閉じられるけれども耳は閉じられない。動物にとって耳は危険を察知する器官だからではないか。そこをヘッドフォンでふさいで自転車とか車に乗るのは、想像力の大幅な欠如だと思う。

3D Probabilistic Feature Point Model for Object Detectoin and Recognition

 3D Probabilistic Feature Point Model for Object Detection and Recognition

画像に映った特徴点に基づいて、姿勢と顔の形状の推定をおこなう。推定用にreferする特徴点と、推定した姿勢に基づいて位置の検討をつける特徴点とに分けて議論。

形状は、特徴点の位置に関する固有空間上の座標で記述。カメラには弱透視投影を採用。形状とカメラパラメータはClosed Formで解ける。RANSACと似た要領で、referenceの特徴点に基づいて姿勢と形を推定し、それ以外の特徴点で整合性を検証し、全組み合わせのなかから最適なものを選択する。

特徴点に基づいた議論としては、メインストリームに位置する発表。

2008年6月10日 (火)

筆記具

ペンを手に持ってないと論文を読むときに落ち着かない。ライナスのブランケットのように。
http://www.snoopy.com/comics/peanuts/meet_the_gang/meet_linus.html
昔はボールペンだったけれども、最近は鉛筆。やわらかめで、軸は塗装してなくて木地のものが好きだ。他の筆記具は重さが重すぎる。

ノートにいろいろ書くときは、逆に鉛筆は軽すぎる。ここ数年、万年筆(2万円程度のセイラーのもの)。ペン先は太めのもの。使い始めたきっかけは「かっこよさげだから」だったけれども、大学ノートと万年筆の組み合わせの書き味に慣れたので他の筆記具に変えようとは思わない。

手帳・事務書類・会議中のメモにはボールペン。間違えたくないときの書きもののときに利用。今は4色ボールペン。バカ高いボールペンもあって、あこがれたりもしたけれども、実際に書いてみると、どってことない気がする。100円で十分すごいボールペンが買える。

テストの採点には赤のサインペン。インクが豊かに出てスムースに○とか×が書けないと、やってられない。ここ数年はぺんてるのサインペンに落ち着く。

チョークにも良し悪しがあって、悪いチョークにあたると、講義中のテンションが下がる。そういえば、数学系の先生との議論では頻繁に黒板が使われる。普通の黒板拭きだと粉が散るという理由で、足元に水を入れたバケツを置いておいて、濡れたスポンジで消す流儀が多いように見受ける。

チョークの粉のせいで、小学校教員の肺がん罹患率が優位に高いという噂は本当だろうか。

2008年6月 9日 (月)

秋葉原での無差別連続殺人

亡くなられた方に哀悼の意を表します。
 

引っ越し

今の研究室がある建物の耐震強度が足りないので、一時的に別の建物に引っ越して、年度内に補強工事を終えて、元の部屋に帰ることになった。明日がその引っ越し。一時的に仮住まいする建物は、現在我々が入っている建物より、さらに耐震強度が弱い。仮住まいの間に地震がきたら、ぺしゃりと瓦解してもおかしくないらしい。とほほ。

子供に昔話

日本むかし話を3歳とか4歳の子供に読み聞かせたいけれども、ポチが殺されたり、殺した犯人は近所の意地悪じいさんだったりして、ためらう。生死の話や悪意の存在を早期に伝えることって、どうなんだろうと思う。ある程度たくましくなってから、と思うのは過保護なのかしらん。

ところで。貧しいけれども無欲で善良なジジ・ババが報われて、私利私欲の強いジジ・ババがひどい眼に会う。こういう物語の構造で倫理感の基礎工事をすることは、批判の対象になってないのだろうか。

Social captialが今後崩れていくような事態に対して、契約の重要性を織り込んだ日本の子供向けの話って、なかったっけか。

2008年6月 8日 (日)

授業の最適な形態

授業の形態を最適化したときに、ネットはどの程度寄与するのだろうか。

ネットの登場で大きく変化したのは、自習の際に利用できるリソースの量だ。本しかなかった時代とは比較にならない。学問体系を獲得するのに最適なメディアは、ネット登場後の今でも「本」なのだけれども、どの本を読むべきかという知見はネットで容易に手に入る。ネットが登場する前後で最初に大きく変化したのは、授業時間ではなく、自習時間であった。

知識のリストにいつでも容易にアクセスできて、疑問・質問があればネット内のコミュニティで大勢とやりとりして、沈思黙考したけれ好きな時間にネットを遮断する。教科書は手元にあって、本を開けば学ぶべきことが書いてあって、それらの解説はネットを介していつでも参照できる。そんなときに授業の意義はどこにあるだろうか。

自習では入手困難な知見で、授業時間でなら入手可能であるような知的体験とは何かを考える。授業が自習と一番違うのは、それが自習ではない、ということであろう。短い時間、狭い教室を教員と生徒で共有している。そのような場を共有してこそ手に入る知的体験はあるだろうか。なければ学校で授業を受ける必要はない。授業を最適化するのなら、そのような知的体験を与えるように最適化すべきである。

時間と空間を、教員と複数の生徒で共有してこそ入手できる知的体験。生徒全員がネットを駆使して質の高い予習と復習をこなした上で、教員の前に机を並べ、授業時間を楽しみに迎える。そこで展開される授業は、知識獲得の過程の共有、勉強にまつわる身体感覚の共有を含むはずだ。

地動説を学ぶのに必要な時間は数秒だ。その根拠を知るのも数分の自習で済む。授業で学びとるべき事柄には、毎日の太陽の運動や月の運動に気づいて天動説を創造できる知力の獲得を含むはずだ。

教員は生徒より圧倒的に知的訓練を積んでいる。そんな教員の、たとえば数学の式変形の過程におけるオーディオ・コメンタリーは、授業だからこそ得られる知的体験の代表例の一つである。教員が板書を書き誤って、その誤りに自分で気付くそのタイミングを見ることは、ナイスな知的体験の一つだ。

生徒が違えば難しく思う場所も違う。そういった生徒が各自の疑問点を授業中に適宜質問する。その質問の台詞の組み立て方を通じて、各人の思考法を感じ取る。各質問に対する教員の回答を聞いて、各教員の思考法を感じ取る。

そういう感じ取り方を最適化するような授業を教員は心がけるべきかもしれない。

「家にいるときボク一人じゃ勉強できないから、さぼった時に先生が叱ってくれるところでネットを使うのが一番」とかいう「お子様」に付き合わないようにすることも重要かもしれない。

2008年6月 6日 (金)

風の谷のナウシカ

ワイド版 風の谷のナウシカ7巻セット「トルメキア戦役バージョン」 Book ワイド版 風の谷のナウシカ7巻セット「トルメキア戦役バージョン」

著者:宮崎 駿
販売元:徳間書店
Amazon.co.jpで詳細を確認する

テレビで久し振りに。面白いなぁ。まさにエコロジーを扱った話であった。ナウシカは魅力的なキャラクターで、その魅力の一部は、彼女が科学者であるところにも由来する。

彼女は腐海が土を浄化する、そのサイクルに自力で気付く。映画冒頭は彼女による実験用の胞子採集のシーンでもある。気付くきっかけを映画では「父の病気を治したくて」と言っていたが、原作では「腐海を見まわっているうちに」と言っている。もちろん、原作のほうの台詞でなければならない。対象を観察して直観を得て、仮説をたてて、実験により検証する。腐海や蟲を愛してはいるが、腐海原理教徒ではないのだ。

映画では、王蟲の幼虫をペジテがどうやって捕獲したのかなど、重要な点が明らかにされていない。原作では、地球を浄化するという目的をもった腐海という自然が不自然であることが指摘され、その背後について丁寧に語られる。科学により新たな種を開発したり命あるものを創造したりすることができて、しかし、科学により生み出された個々の命は創造主に所有されるものではなく、その尊厳はその創造の過程には依存しない。

科学は必ずしも生命を機械仕掛けに還元するものとは限らない。科学による環境や生体の制御は、命の尊厳を奪う行為とは独立であるし、環境や生命の貴重さを訴えるのに非科学的なエコ原理主義に走る必要もない。

パターン認識と機械学習 下巻

パターン認識と機械学習 上 - ベイズ理論による統計的予測 Book パターン認識と機械学習 上 - ベイズ理論による統計的予測

著者:C. M. ビショップ
販売元:シュプリンガー・ジャパン株式会社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

「待望の翻訳」とオビにあるのは伊達ではなく、本当に待望の翻訳であった。今wikiを見たら、下巻が7月上旬に発売予定とある。まさに待望の下巻。

国内の研究レベルが底上げされるのではないかと思う。

パターン認識

わかりやすいパターン認識 Book わかりやすいパターン認識

著者:石井 健一郎,前田 英作,上田 修功,村瀬 洋
販売元:オーム社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

パラメトリック固有空間法の仕事のある村瀬先生を含む、コンピュータビジョンの研究者が書いたパターン認識の本。大学学部生くらいを対象とした、基礎的な教科書。パーセプトロンやClaffic法などの基礎的なアルゴリズムが一通り説明されている。醜いアヒルの子の定理や「最近傍決定則とベイズ決定則の誤り率の話」など、coffee breakの話題が面白い。

チリとチリリ

チリとチリリ Book チリとチリリ

著者:どい かや
販売元:アリス館
Amazon.co.jpで詳細を確認する

主人公の女の子ふたりは、森の中へと入っていく。行く先々の喫茶店やホテルで、自分にぴったりのコップや部屋やベッドと出会う。世界の中のいたるところに自分の居場所が用意されていて、しかもそこが心地よい。紛れもない、ユートピアを描いた絵本。

パパ・ママにもグッとくる。特に海外の行先で心細い思いをしたことのある人は、ホテルのシーンにうっとりするのではないかと。

2008年6月 5日 (木)

通信遅延を考慮したセンサ選択手法

http://www.ic.is.tohoku.ac.jp/~swk/cv/pub/kagami_ieicej_a_200505.pdf

Information Filterに工夫して、通信遅延に耐性をもつカルマンフィルタを実現。計測データにより推定値の確度が最も高くなるセンサを選択する。

2008年6月 4日 (水)

今日

はてなからココログに移動した。ネットをきっかけに自死する人がいたということは、ネットが原因で辛い目に会ってる人が大勢居るということでもあるのだろうと想像する。池田氏の主張に一票入れたい。

職場の建物の耐震強度が姉葉物件の半分以下とのことで、補強工事をする間、別の建物の仮住まいに引っ越し。今日はその作業に追われる。仮住まいの建物の耐震強度は、姉葉物件の三分の一程度とのことで、仮住まいの間に地震が来ると最悪である。桑原桑原。

パイナップル

一つ300円弱で4日間楽しめて、この時期のフルーツの中ではコストパフォーマンス抜群。

このページはとても便利。数式の画像をオンラインで作ることができる。1_2

2008年6月 3日 (火)

Information-Driven Dynamic Sensor Collaboration for Tracking Applications



”pdf file”


ネットワークに接続された多数のセンサのうち、どのセンサを現在使うべきかを選択する手法。計測対象の現在の状態の推定誤差分散に基づき、その誤差分散を最も小さくできそうなセンサを選択する。そのようなセンサの選択に、センサから見た対象の状態のエントロピーを利用したり、センサの位置と対象の位置の間のマハラノビス距離を利用したりする。センサの選択を中央のサーバでおこなわず、各ノード間の通信で上記選択を実現するところがミソといえばミソ。


MAP-based kinetic analysis for voxel-by-voxel compartment model estimation



ScienceDirect - NeuroImage : MAP-based kinetic analysis for voxel-by-voxel compartment model estimation: Detailed imaging of the cerebral glucose metabolism using FDG


薬剤を注射した直後からのPET画像の時間変化(tTAC)に基づいて、神経受容体などに関わるパラメータを推定する。画像の時間変化については、compartment modelが良く知られていて、そのmodelパラメータを変化させたときの、tTACの変化をデータ空間中の多様体として表現する。そして、観測したtTACをその多様体へと射影することでパラメータを推定する。多様体の固有空間表現を作成する際の次元の設定法やシミュレーションによる推定精度などの実験が多数。多様体が複雑な形状をしていることがビジュアルにも確認できておもしろい。


2008年6月 2日 (月)

鈍感になれないし機動力もないし



読売社説 万葉集 日本人の心の源流を未来へ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞) - finalventの日記



準備はかなり出来ている。でも、いつか日本人が、日本国家の成立の幻想を書き換える日



その日がくるなら立会いたいし、その日を迎える空気を醸成する役割の一端というか、せめて掛け声をかけるくらいの役割が果たせたらいいのにと思う。そう思う人は少なくないと思うし、上のページを見て仙覚と契沖の本を探して、幾つかの本を見つけたものの買って読んで



万葉の心というは、古今にそして新古今につがれ、並行して仙覚や契沖といった僧侶たちに守られていたものだった。古今にどう受けつがれ、仙覚や契沖がどう思ったか、それをきちんと



辿る工程の長さを思うと躊躇して、イジケている人も少なくないに違いない。鈍感になれないし機動力もないし、なんだか憂鬱になってよろしくない。


その道の専門家にwebで分かりやすく発言してもらえると読み手としては嬉しいけれども、そういえば自分は自分の専門について啓蒙するような書き方をしてない。啓蒙ではなくとも、自分の専門について日々考えた事を記述することも、私はしてない。例えばこんなページのように、研究のコミュニケーションのツールにwebを使っている研究者も大勢居るのは承知していて、それでもしないのは、えーっと。


まずは、専門分野での「底力」とか、専門に関する日々の思索の「質量」とかがが問われていて、次にそれをwebに書き留めることの意義の理解が問われている気がする。(数式を多用しているweb siteは、どうやって数式を入力してるんだろう。)


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