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2008年10月25日 (土)

進化と構築

http://d.hatena.ne.jp/finalvent/20081025/1224896790

進化論というのはバックトレースすると構築になるわけで、その原理性が十分かどうかは問われうる。まあ、このあたりは日本人で関心もつ人はいない。

原理性が十分かどうか、かぁ。…例えば、

東京大学 工学部計数工学科 教授 安藤 繁氏
(中略)
生物の感覚器官と感覚系に学ぶセンサ-人の蝸牛基底膜、メンフクロウの耳、ヤドリバエの視覚器官に巧妙な仕組みと応用を探る。

人の蝸牛基底膜は「メカニカルに」音声を周波数分解する。メンフクロウの耳は左右非対称に配置されていて木の上から地面を走る餌の定位の精度を上げる。ヤドリバエの鼓膜はジンバル構造を持っていて、耳ひとつで音源定位をする。いずれも進化の過程で構築された、音声情報処理を実行するハードウェアであり、その機構はエレガント。

視覚系になると、聴覚系にみられるような機構に関するエレガントな解は少なくて、単眼と複眼程度。あ、でも人の視覚は固視微動をしていて、その微動を止めると知覚できなくなるのはよく知られた事実で、その微動により映像の局所構造を抽出している可能性は低くない。これも、エレガントな機構だ。

触覚系も、表皮からの深さに応じて3種類(だったっけ?)の異なるセンサを持っていて、いずれも応力ひずみを計測するのに面白い構造を持っている。いずれの感覚器もエレガントな構造を持っている。

進化により感覚器の巧みな構造が構築された。構造を構築できたモダリティが5つあったので、「五感」が我々の世界になった。進化の原理の十分性は、感覚するモダリティの数や知覚可能な帯域の広さで測るのが妥当なのかしらん。異なる宇宙に進化の原理を持ち込むと、その宇宙に応じたモダリティの数だけエレガントな機構を備えた感覚器が構築されるのかどうか、ということかしらん。

計測したい物理対象のモデルがあって、問題設定の筋が良ければ、最適な構造のセンサをエンジニアはデザインしうる。

…少し戻って。
当然のことながら、感覚器自身の構造や挙動は、感覚されない。対象表面にあたった光は四方八方に反射し、そのうちの一部はレンズの開口部に入射し、レンズのガラスは光路長を変化させ、その形状は対象の像をシリコン表面に結び、シリコンは受けた光の量を励起する電子の数に変化させ、CCDはそれを読みだし、周辺回路は電荷の量をデジタルに変換し、対象の画像情報が出来上がる。その画像には、レンズの構造もCCDの仕組みも記録されていない。すぐれたセンサほど、計測データにセンサの特性や機構の情報を残さない。たとえばレンズの歪とか。…スタニスワフ ・レムを思い出す。

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