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2010年9月13日 (月)

大学の国際化

大学にポジションを得ようと思っていて、でもなかなか得られない優秀な連中はアメリカにも多数居る。学閥とか著名な先生とのコネクションとかがアメリカではとても重要であり、いろいろなボヤキも多数聞く。日本だけではないんだな、と思う。

求職中の学生は大学からの求人にアンテナを張り巡らせることになるけれども、そのアンテナには米国・欧州の大学はひっかかるけれども、日本の大学はひっかからない。住み慣れた米国を離れて異国の大学に就職するとなると、当然色々なことが気になる。「暮らしやすさ」は各国の大学を検討するときの重要な項目で、その観点からは日本の評価は高い。治安も良いし、宗教問題でわずらわされることが少なそうだ、という印象は学生たちの間でも共有されている模様。 アカデミックなレベルについても日本はそれほど悪い評価ではない。でも、講義を日本語でしなければいけないと分かった時点で日本の大学は選択肢から外れる。日本に行きたくないのではなく、日本の大学が雇用を優秀な人材を拒否している形になっている。もっとも、こういった形で優秀な人材を拒否してしまっている国は日本だけでは(もちろん)ない。

多くの分野で日本の大学は優秀な人材の国際的な流通網からは外れており、日本人が外へと出ていくことはあっても、優秀な異国の連中が日本の大学でポジションを得て教授になって業績を挙げることは稀である。ベトナムとかパキスタンとか東南アジアの若手人材を受け入れて日本で育てて人材のネットワークを循環させる試みは幾つかなされていて有意義でもあるけれども、日本がメインになって育てた人材の弟子たちが巣立つとき、彼ら・彼女らは英語を共通語とする人材ネットワークに組み込まれていくのであろう。

大学が生き残るには優秀なスタッフの獲得が不可欠で、趨勢としては人材の国際流通は今後もますます活発になっていくのであろうし、そうすると国を超えた大学間の交流もより強くなっていく。国を超えて、優秀な人材の交流を接点とする大学のクラスタも出来つつある模様。

少子高齢化は日本だけで進んでいる事態ではない。日本だけではなく世界的にみて大学での求人数は少なくなりつつある。でも、日本での少子高齢化が最も早く進みつつあるという。相対的な速度差はとても重要だ。

人が少なくなるスピードにあわせて大学の総数が小さくなるわけではない。大学の統廃合が進むのは学生数が少なくなったあとであり、タイムラグが必ず発生する。大学が統廃合される前に人事は凍結されることになり、若手の人材の雇用が鈍る。そしてこの鈍化は日本で最も急激に進んでいる。大学が若手を雇いたいのに雇えない時代は日本ではとっくに到来している。日本の優秀な若手が日本の大学を選択する確率が劇的に低くなりつつある。

「日本以外ならどこでも」といった料簡で飛び出して成功するのは容易ではなかろうと思う。そんな言い方をされるほど日本は他国と比べて悪い状態ではない。でも飛び出していく若者は増えていくだろうし、その増加の速度が想像より鈍いことでイライラする人が居るのも分かる気はする。アメリカの学閥とか各国間の人事交流ネットワークの実体とかの情報が、例えば日本国内で「○○社は○○大学が強い」ってな感覚で人の口の端に乗る程度まで国際化されると良いなと思う。

人事が止まると若手に降ってくる「雑用」が増える。雑用で若手を潰す前に、雑用のご褒美といった形式でも良いから、国外の大学に1年でも2年でも良いから頻繁に送り出して帰ってきてもらうことは、そういう観点からも無駄ではないと思うし有効な投資だと思う。

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