カンニングで逮捕
警察沙汰になった時点で何かがおかしくなった。
予備校生は2日から所在が分からなくなり、警察で行方を捜していましたが、3日昼前、仙台市内で見つけて取り調べ、京都大学の入学試験で業務を妨害した偽計業務妨害の疑いで逮捕しました。
試験でカンニングして警察に逮捕。警察沙汰にしないと誰が投稿したかは特定できなかったんだろうけど、それでも警察沙汰にすべきではなかった。公正性に欠けた可能性があることを認め、謝罪して、対応策を協議して公表するといった手続きを京大はとるべきだったと思う。もともと、入試により計測されるスキルは人が持っている能力の一部であり、しかもその一部の能力の評価精度も有限である。
虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の業務を妨害すること(偽計業務妨害罪)。
この罪状は、活動の自由を保護するために設けられている。
今回のカンニングにより京都大学が「公正な入試業務」を自由におこなうことを妨げられたわけではない。当該予備校生も入試業務の妨害を意図していない。公正な入試を自力でくぐりぬけたのだと詐称することを目的にカンニングをしたのであり、つまり予備校生は京大が公正な入試業務を今回もこれからも続けてくれることを期待している。
京大は公正な入試業務をしたければ自由に続ければ良いのであり、公正性を獲得するために割けるコストと、その結果得られる公正性の程度が明示されれば良いだけだろうと思う。その公正性をどのように評価するかは受験生を代表とする社会に委ねられる。今回の一件で大学経営に支障をきたすほど受験生が減少するなら、あるいは当該受験生が京大の受験業務の妨害を(意図せず)おこなったことになったかもしれない。しかし今回のように警察沙汰になどせず、カンニングで入学した学生が一人存在する可能性があると京都大学が公表したとして、そのことで京都大学の経営がゆらぐような事態になるとは考えにくい。
« 入試問題の投稿 | トップページ | 乱択のすすめ。 »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント